【小さなヒーロー達の話】逆ソクラテス@伊坂幸太郎

【紹介する本】逆ソクラテス@伊坂幸太郎

どんなに小さくてもヒーローは格好いい。
僕らが生きる世界は確かに小さいけれど、
それが僕らの生きる世界。

この本で登場する、小学生たちは、
クラスの先生とか悪ガキとか、
彼らにとっての巨悪に立ち向かう。

そんな彼等にとって目一杯の世界で、
彼等の世界を『彼ら自身』がひっくり返す。

非常に読みやすい

この本は、5本の短編小説からなっていて
1話あたり50Pくらい。

難しい設定も何もないので、
おそらく抵抗感なく漫画のようにスラスラ読めると思います。

この本の魅力

真っ直ぐで無鉄砲なヒーローがかっこいい!

お節介がヒーローの本質だ。何て、どっかの誰かも言っていたけど、
伊坂の物語に出てくるクセ者たちはみんなそんな感じです。
ただ、一つ念を押しておきたいのはクセ者だってこと。

それ故、芯が通っていてかっこいい。

この本でいうなら、登場人物が小学生です。
小学生は、門限もあるし、行っちゃダメな場所もあるし、
とにかく、大人よりもよっぽど身動き取りづらい。
見つかったら怒られるぞ笑
なんて思いながら、彼等の冒険を見守れる、
そんな微笑ましさもあります。

そして、当の本人たちは本気で、動いて本気でやり遂げる。
そして、周りを友達を救ってしまう。

本当にかっこいいです。

悪者をただ懲らしめるだけじゃない!

基本、悪者に対峙するような本は、倒してスッキリ。
いろんな伏線でじんわり。
みたいな感じが多いですが、

さすが、伊坂幸太郎。
それだけじゃない。
ちゃんと、未来につながっていくんです。

特にその思想が強く反映された作品が
4本目の「アンスポーツマンライク」という作品です。

この話は、僕の中で生涯忘れられない屈指の名話です。
オチがいいです。
これは読むしかないです。

理不尽に立ち向かう勇気をくれる!

前述しましたが、小学生にとって先生や、悪ガキ、それから、親も。
立ち向かう事さえ許されないくらいの存在であることも
往々にしてあるとおもいます。

このご時世、叱り方も難しい。
悪ガキは頭に乗る一方。
いじりや、嫌がらせなど、モラルの範疇のことで、
これらに直面すると、為す術無いようにも思えてしまいます。

それに対して、本当に上手に対処していきます。
現実はそんなに甘くないのかもしれないですけど、
本当に真っ当に正義が勝つんですね。

読み終えて誇らしく思えて、なぜか自分が胸を張れるような。
素敵な気持ちにしてくれる本です。

伊坂幸太郎の魅力

ただの短編じゃない!

伊坂幸太郎の幾つかの本がそうですが、
短編集のように読みやすい構成になっていながら、
実は、最後でありえないほど伏線回収していきます。
毎回気持ち良いです。

理不尽を徹底的に描く!

今回は、小学生が主人公に置かれているので、可愛い理不尽でした。
可愛いと言っても、彼らにとっては最悪に理不尽ですが。

ただ、最強の殺し屋相手だったり、国が敵だったり、世界が終わったり、
理不尽の描き方が容赦ないです。
だからこそ、それに立ち向かう様がかっこ良い。

善も悪も因果応報。

これは、幾つか読んで確かめていただきたい。
どんなに、根が真面目でいいやつでも、
悪いことしたら、それはまた別だから。
って教えてくれます。時に残酷。
だからこそ、命が大切だなと、感じられるわけです。

最後に

ヒーローってかっこいいですね。
救われた、その人にとってはいつまでもヒーローなんです。
僕の場合は、伊坂幸太郎がヒーローのひとりなんですね。
かっこいい生き方教えてもらっている気がします。

間違った解釈かもしれないけれど、ひねくれてても、
芯が真っ直ぐであれば人間かっこよく生きられるんだと。
極端でもいいから信じる通りに生きてみろよと、言われている気がします。

逆ソクラテスからは、

『ギャフンと言わせたいだけの生き方はやめろよ。』

ってことを学びました。

いつもお世話になっております。
次の作品も楽しみです。

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