【紹介する本】故事成語で読み解く中国経済@李智雄
・経済学とは一体なんなのか。
・中国経済が今どうなっているのか。
・発展途上国がどのように経済成長を果たしていくのか
・経済分析をどうやってしていけばいいのか
上記4点に興味がある方は
一読の価値があります。
情報量が非常に多いにもかかわらず
非常に丁寧に書き進められている良書ですので
手元に置いておく価値がある一冊になっています。
この本の魅力
理系の技術家である自分が
経済についてと
中国について学びたいなと
思って図書館を物色している時に
出会った本です。
つまり、
バックグラウンドは全くないですし
誰かの勧めがあったわけでもありません。
そんな中でも
読み進めることができる本でした。
なぜ素人が読めたのか
その理由も含めて
魅力を伝えられればと思います。
“経済学とは?”がわかる
広義な”経済学とは?”が
わかりやすく描いてある
基礎的な本である。
というわけではありません。
経済学の視点を用いて
社会問題ひいては経済問題を
解説しながら理解していくような内容です。
経済学的な視点があれば
社会問題をこのような観点から
解釈できるのか。
そんな納得感が得られる本になっています。
中国経済とは?がわかる
5年ほど古い本で
もはや昔話であることは
ご承知おきいただきたいのですが、
それでも2016年時点の中国のあり方が
非常にわかりやすく記されている本です。
まず、
中国は一党独裁国家で、
データの改ざんも当たり前にある
という前提条件があります。
すなわち、
本書の主題は
様々な数値データをもとに
情勢を推測する経済学においては
非常に難しい題材がテーマである
ということです。
ですから、
そんな国に対しても
信頼度の高い考察が
述べられている本書は
非常に有意義なのです。
どのような視点から
事実を調べあげれば良いのか
そんな前置きから書かれています
アメリカに並ぶ経済大国だ。
その実態が紐解かれていく本です。
ただし2016年時点の内容ですので、
最新情勢については
別途追跡する必要があります。
“経済発展”がわかる
この本では
信頼性のない中国の動向を追うために
ベンチマークとして
“日本の戦後から今までの経済成長”
に目を向けています。
常に、日本の経済成長と並べながら
議論が進められていきます。
ですから、
この一冊で日本の経済成長の流れと
中国の経済成長の流れが
抑えられる構成になっています
二度美味しいです。
また、
その着眼点を用いて
途上国が経済成長を遂げるために
必要なことをまとめています。
日本と中国の実例と
その実用的な解釈まで言及されているので
非常にわかりやすいです。
“経済分析の仕方”がわかる
ずぶの素人であっても
経済学ってこう言うものなんだな
という雰囲気が掴めます。
体系立てられた経済学と言うのは
あくまで、偉い学者さんが
大量のデータをもとに普遍的な部分を
名前をつけて残してくれているだけで、
その本質は、
ヒト・モノ・カネの時間的な変化を追うこと
にあると僕は思いました。
つまり、
ヒト・モノ・カネに関わる
様々な集計データを
時間軸に沿って整理する
ということが
経済学だ。
ということです。
また、その際用いるデータの選び方について
・政策担当者に重視されている指標を用いること
・市場が重視している指標を用いること
と本書で著者は言います。
この2つの着眼点があれば
素人だとしても、
確からしいデータを選定して、
分析を進めることができるのです。
最後に
現在中国では、
本書でも紹介される
“中国製造2025”
という政策が進められています。
「こうだ」といえば
そのまま進んでしまう
中国の強さがあります。
2016年以降
”BATH”
を始めとする民間企業が台頭し始め、
瞬く間に世界の大企業へとの上がりました。
本書を読んだ上で
今の情勢を見渡すと
記載されている残課題を
見事に乗り越えた事実が一目瞭然ですから
なかなか腑に落ちた気持ちになれます。
一方、
日本はそのポイントに対して
明確な答えが持ててないのが実情です。
やっと変わり始めたかな。
というところです。
埋まらない差が開いてしまった
という感じがします。
さて、日本人はどうするべきなのでしょうか?
一人では何の力も持たない
国民一人一人が
どうすれば良いのか。
今こそ考えるべきかもしれません。
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