【100回読みたい】世界経済史を紐解く良書を紹介

日本で生きる




【今回紹介する本】
世界経済全史@宮崎正勝


世界〈経済〉全史 「51の転換点」で現在と未来が読み解ける [ 宮崎正勝 ]

経済を勉強しようとしても
難しい言葉が多いので
理解に時間がかかります。

世界史を勉強するのも
いたる所で起こる出来事が
各地で並行して進むので
かなり骨が折れます。

本書は、
そんな世界史も経済史も
同時に学べる非常に効率のいい本です。

さらに、
非常にわかりやすく
読み物としても非常に読みごたえがあります。

この本の一部分を読むだけでも
頭が良くなった気がしますし、
内容がわかりやすく腑に落ちるので
周りに知識を共有したい衝動に駆られますから
何かを勉強するきっかけとしても
非常に有用だと思います。

 

本当にお勧めなので
是非ご一読いただきたいです

 

本書の魅力

読みやすい

もと高校の先生ということもあり
説明が本当にお上手です。

まとめた図解もわかりやすい
一つ一つのテーマが短いので
頭の整理がしやすい。

ぜひ、子供ができたら
世界地図片手に読み聞かせてあげたいと思うほど
読みやすくわかりやすいです。
こちらの本も読み聞かせたい候補です

世界が繋がって見える

人類の誕生から
今に至るまでの歴史を
経済学の観点から説明してくれます。

例を挙げます。

人類がアフリカに誕生したころ
時代は氷河期だったということで
暖かい場所を目指して北上したと言います。
←南半球の話なので

その結果たどり着いたのが
アジアの大乾燥地帯
(ヨルダン・シリアあたり)
と言うことです。
ちなみにこの人類の大移動を
グレートジャーニーと言います。

そして、
そこから人類はさらに移動をすすめ
かの有名な4大文明を築く訳です。

とはいえ、
当時、人類の多くは
乾燥地帯に分布していたと言います。
そこは想像しやすいと思いますが
農業には不向きです。

ですから、
採取生活が根底の文化であったと言います

採取生活で文明を維持するためには
各地の仲間と物をやり取りしなければいけないので
物流を整備したり、
信頼できる商売の仕組みを整えることが必要でした

 

そこで生まれたのが銀を用いた経済だったといいます

 

ちなみに、
この中心にいたのが
かの有名なユダヤ人で

銀を使ってモノを動かす経済の仕組みを作った彼らは
今でいう”投資”という考え方に強く
金融中心で世界を作り上げていったということです。

 

一方で、
農業大国になった日本などは
銀貨で物を流通させる
と言うよりは
いかに安定して農作物を作るか
と言うところに価値を見出していたので
“貯蓄”に重きを置く考え方になったと言います。

 

経済の仕組みを獲得した人類は
陸と海の運路を用いて
世界をつないでいくのです。

この流れを
グレートジャーニーのように
丁寧に教えてくれるので
世界を俯瞰して出来事を整理することができます。

時の流れが見える

栄枯盛衰とは言いますが、
目まぐるしく
世界の中心地は動いていきます。

古代から近代にいたるまで
侵略・開拓がそのまま国力だったので
戦力に財力を投資し頂点を極めては、
そのせいで経済が疲弊し
国民が疲弊し滅びていく

その繰り返しであることが
よくわかります。

 

また、
世界史がわからない人にとっても
なじみ深い言葉を通して
世界の流れを理解することができます

例えば、
かの有名なシルクロードの時代
イラクのバグダードを中心に
アジアと欧州に
モノやカネが動きました。

まさにアジアの乾燥帯が
世界の中心だった時代です。

 

その後、
元寇でおなじみ元の時代
大陸の1/4を支配したモンゴル帝国が
世界の中心になりました。

とにかく大きな
ユーラシア大陸の中心を支配したモンゴル帝国は
とにかくたくさんの文化を取り入れたので
まさに”文化のるつぼ”さながら
経済の中心になりました。

 

それから、
かの有名な大航海時代
ポルトガル由来のものが日本に多くの届きました
火縄銃などがまさにそれです。

この時ポルトガルのリスボンが
世界の中心でした。

 

その後
蘭学でおなじみオランダが
日本史にも登場します。

なぜ日本が
オランダと熱心に貿易したかと言えば
オランダアムステルダムが
世界の中心だったからです。

 

世界の帝国文化の流れと
日本史上での出来事は
経済を通して強くリンクしていることがわかります

 

色んな尺度から
時代の流れを理解することができます。

雑学が身に付く

この本では、
なぜそうなったのかと言うことを
その起源から丁寧に教えてくれます

ですので、
その過程で、
色んなマメ知識が手に入ります。

これら一つ一つが面白いので
どんどん読み進められます。

例えば、
エジプトでは
物凄い量の金を採掘していたが、
“体が太陽神と同じように金でできている”
と自称したファラオによって独占されていたため
凄い文明を築いていながら、
長い間”物々交換”が余儀なくされたとか

保険会社の起源はコーヒーカフェであるとか

スタバの起源が南北戦争にあるとか

面白い話ばかりです。

 

もちろん、
学術的に面白い話も多いです。

読んでいて飽きないのでどんどん読めます。

最後に

この本を通じて
世界を繋げて見ることができるようになりました。
それは時間軸としての縦の軸でも
この時代の横の繋がりという意味での横の軸でもです。

読んでいて思うのは
栄枯盛衰だということ
そして、
時代を読んでいた者が勝つ
と言うことです。

人類が動き出してから
今に至るまで
全ての活動は繋がっています。

例えば、
今話題の”仮想通過”だって
“経済”という文化の流れから言うと至極合理的で
生まれて当然のものだということも見えてきます。

ですから、
未来を予測し戦っていくためにも
歴史を学ぶこと
そして
経済を学ぶことは非常に有意義なのです。

 

本書は、
一通り目を通すだけでも
色んな気づきが自分の断片的な知識をつないで
大きなアハ体験を引き起こしてくれました

二回目読めば
理解度が深まり、
三回読めば
次に自分が深く学びたい分野が見えてくる
そんな気がします。

 

久しぶりに
人生を変えると思うほどの良書に出会えたな
そんな大きな衝撃に包まれました。

是非、ご一読を。


世界〈経済〉全史 「51の転換点」で現在と未来が読み解ける [ 宮崎正勝 ]

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