【対 VUCA WORLD】これからの時代に必要なアート思考とは

本と生きる




今回お伝えしたいのは
凝り固まった思考回路を
解きほぐすために
アート思考が必要である
ということです

義務教育の美術では教えてくれない
アートとの真の向き合い方は
これからの時代を生き抜く上で
必要不可欠な価値観である
と言えそうです

アート思考とは

アート思考とは
著作中では

自分だけのものの見方で世界を見つめ
自分なりの答えを生み出し
それによって新たな問いを生み出す
考え方のこと

というように書かれています

現代人は
決められたルールが正しいと思っている節があります。

そして、
そのルールの中で最短最適最善を目指すこと
優秀であるというように認識しています。

これは美術でいうなれば
ペンや紙と言った画材を用いて
より美しくより技巧的に表現できた者が優れている

といった見方です。

これを聞いて
「それはそうだろ」
と感じらる人が多いのではないか
と思います。

そりゃ上手くて手間がかかっていて
美しくまとまっているものが素晴らしい
というのはもはや当たり前のことだからです。

しかし、
・上手いものがアートとして本当にふさわしいのか
・手が込んでいるものの方がアートとして本当に素晴らしいのか
・美しいものの方が本当に価値があるのか
と聞かれたら、
半分くらいの人は
「そうじゃないかもしれない」
と答えるのではないでしょうか。

これは
義務教育の中で
“テストの点数が高い方が優秀である”
と決めつけて生きていたが故に
感じているのだ
と思うのです。

そして同じ価値観を
美術にも強要していた

アート思考そのものに焦点を当てるのではなく
作品作りの技術の方にばかり目を向けているのが
日本の教育だと言うことなのです。

一旦そのような壁を取り払い
アートとは
を教えてくれる本が
この本なのです

名作からアート思考を学ぶ

芸術作品は上手いと言うことを疑う

アーティスティックな作品は
色を上手く用いて
技巧的に表現しているものが多いですが
決してそうである必要はない
ということです

20世紀に入り
筆や絵の具の使い方が
ただ、美しいものを作るためである必要がないことに
気づいた人がいました

この人は
今まで絵はこうでなければいけない
だから道具(色や筆の扱い)は
こうでなければいけない

と凝り固まっていた世界の見方を
変える瞬間が訪れたのです

この様な手段の在り方を問う生き方ができるのも
アート思考ならではだといいます

例えば、
車は単なる移動手段なのか
携帯電話は単なる電話なのか
その定義がどんどん再定義されている事実に似ています

このような改めて問いを立てる行為は
アート思考によるものである
と言えるのです

芸術作品は”リアルである”ということを疑う

かつてルネサンス時代は
貴族の御用達のアーティストが
宗教画や自画像を描いていましたが
描くこと=お願いされたものを形にする
ということではない
と気づいたい人がいました

また同時に、
写真が生まれた時に
写実的な絵の需要が格段に減ったと言います。

ただ生き写しをするのであれば
絵である必要はなくなったのです

ただ
今でも似顔絵という分野はビジネスとしても残っています

これは、
いつしか似顔絵というものに
写実性以外の何かが求められるようになったからです

常識を疑う

そもそも芸術とは
目で見て美しいと感じる必要があるのか

そもそも芸術とは
技巧に凝った努力の結晶である必要があるのか

そんな問いに対して
答えとなる作品を発表したアーティストもいる
といいます。

デュシャンの泉という作品は
便器にサインをしただけというもので
実はそんなものが大きく評価されている
と言います。

便器というのは
美しさの対極にあるもの

それをあえて展示するという
発想の中には
作品を通じて時代に問題的しようとする
勇敢さが見て取れます。

最後に

美術という学問だと思って
芸術作品に触れると
知識を用いて干渉したくなりますが
大事なのはそういうことではない
と言います。

自分だけのものの見方で世界を見つめ
自分なりの答えを生み出し
それによって新たな問いを生み出す

ということが大事なのです。

便器が飾られているものに対して
これに何の意味があるのだろう
という問題提起ができた人が
ある意味正解であるようなものだと思います。

それを
「なぜそう思ったのか」
という部分をどんどん掘り下げることで
柔軟になれるのです。

 

用意されたものに対して
正しい答えを早く導く
今までの時代は終わりを告げようとしていて

今こそ、
自分で問いを立て
自分なりの見方で
世界を問い直す必要があるのだ

 

というのが著者の主張です。

 

アートの見方を通して
世界を改めて見直してみてはいかがでしょうか?

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考 [ 末永 幸歩 ]

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