【IT全史】情報技術史の全てとイノベーションを学ぶ本をご紹介

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【紹介する本】

IT全史
情報技術の250年を読む
@中野明


IT全史 情報技術の250年を読む [ 中野明 ]

ITとは
information technologyの略で
情報技術を意味する言葉です。

ことの発端は
18世紀に生まれた腕木通信と呼ばれる
“デジタルな情報伝達手段”
であるという話です。

この発明が、
今のAI/IoTの時代にどのようにつながっていくのかが
こと細かに記載されている書籍に成ります。

非常に面白いです。

IT全史の魅力

歴史がわかる

この著書では、
腕木通信と呼ばれる
初期の情報伝達手段から
ネットワークで常時接続された
インターネットの社会に至るまで
すべての技術の起源から普及
そして衰退までが記載されています。

腕木通信と言うのは
簡単に言えば機械式の手旗信号の様なもので
それを数キロ単位でいくつか置いて
バケツリレー的に伝達すれば
遠く離れた場所の人に情報を提供できる
という仕組みのものです。

いわば、無線で情報を伝達した
最初のデジタルITだったと言えます。

手旗信号では限界があるということで、
より複雑な情報伝達をするべく
電信(モールス信号)の様なものができたり
声や映像の有線/無線での授受が行われたりしたと言うことです。

そして最終的には
世界中に広がったネットワークによって
常時つながった情報伝達社会になっていきます。

その流れを効率よく
分かりやすく学べるのが本書です。

イノベーションとは何かがわかる

これらの歴史がわかるのと同時に
なぜその技術がそのタイミングで興ったのか
ということがよくわかります。

この本を読むことで
イノベーションと言うのは
大きく分けて3つの背景のもと
生まれるのであろうということが
見えてきます。

発明や想いが起因する

本書に記されている一例にすぎませんが
コンピュータの発展について以下の様な
事例が挙げられています。

ヴァネヴァー・ブッシュという研究者が
1945年に「ライフ」と言う雑誌に
論文を乗せたと言います。

ここには、

個人が自分の本記録手紙類を蓄え
また、それらを相当なスピードで
柔軟に検索できるように機械化された装置

という内容で
コンピュータの将来の使用用途についての仮説を
事細かに記載したと言います。

この論文はのちに、
エンゲルバート
と言う技術者の目に留まり
“マウス”やハイパーリンク(webのキー技術)
の発明に至ったと言います。

“これは絶対にすごいことになる!!”
と言う思想は何かしらの形で伝わり
大きなうねりを引き起こすことがわかります

オープンイノベーション

例えば無線技術
アマチュア無線
と言う言葉を聞いたことはないでしょうか?

今や、電波法というもので
厳しく管理されてはいるものの
無線技術が開発された当初は
機械を作れば、傍受もできるし
秘密裏にも会話ができる
と言うことで、
趣味で無線をたしなむ技術者が
物凄い数いたと言います。

無線技術が仕組みとして整い
ラジオとして大衆化したのは
その様なアマチュア無線の技術者が
並行して技術開発をすごいスピードで行ったからだ
というところにあるようです

これと同じことが
今のAI技術においてもあり
オープンソースというコードを用いて
無数にいる技術者が
AI技術の開発に切磋琢磨している状況です

この様な状態が出来上がると
技術は瞬く間に進化していくということを
歴史が教えてくれます

PMF起因

物を作ったところで
人から求められる形じゃないと
商品として世に普及しません

そのためにPMF(product market fit)
すなわち”市場に認められる”
ということが必要になるのです。

無線技術は
有線に代わる技術として考案されましたが
そのまま置き換わることはありませんでした

その代わり、
有線が引けない海上の情報通信や
一から複数に提供されるラジオ放送など
別用途で進歩していきました。

技術だけではなく
使われ方ありきだ
というのも大事な側面です

情報技術の仕組みがわかる

この本を読むだけで
どうやって電話が普及していったのか
どのようにテレビが普及していったのか
何をきっかけにコンピュータが大衆化していったのか
などを学ぶことができます。

全てには技術的な障壁と
技術的な克服の過程があり
その流れを本書で確認することで
情報技術の根幹にある仕組みが見えてきます。

最後に

仕組みや技術が
時系列的にどのような進歩を遂げてきたのか
それを理解することは、
今この時代においてイノベーションを起こすための
大事な要素になると思います。

どんなに高尚な技術だろうと
本質的な部分は
原始的な時代から変わっていなかったりもします。

それは、
だれかが困り事を解決するということ
人の興味関心が大きなエネルギーを持つということ
知的好奇心が発端にあるということ
などです。

技術史が
今を生きるあなたに大きなヒントを
与えてくれること間違いなしです。

話は変わりますが、
本書ではシンギュラリティについても触れられています。
もしシンギュラリティについて
理解したい方がいる場合も
この本はお勧めです。

一教養としてお手に取ってみていただきたいです。


IT全史 情報技術の250年を読む [ 中野明 ]

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