【紹介する本】
100年のしごと@塩沢槙
百年のしごと [ 塩沢 槙 ]
日本の老舗企業で
100年以上続いている
複数社が取り上げられており
その企業の歴史を紐解き
今現在に焦点を当てるような一冊になっています
歴史からは多くを学ぶことができます
続けるために必要なこととは
何よりも愛が大事
紹介されるすべての企業で
共通していたのは
“自社製品に愛がある”
ということでした。
この100年間には
いろいろなアクシデントがありました。
第二次世界大戦
阪神淡路大震災
東日本大震災
その被害を受けた
まさに渦中の企業が
いくつか取り上げられています
1本目に綴られる
ヤマニ醤油のエピソードは
リアルすぎて言葉を失います
本当に死の寸前を経験し
歴史ある蔵元は壊滅したと言います
他の企業も
いくつもの困難を乗り越えて
今に至ります。
その原動力は
形はどうであれ
“この仕事にこだわる”
ということでした。
そこには
長年愛してくれてきたファンの存在
一緒に仕事をしてきた仲間の存在
そして先代たちの遺志がありました。
覚悟ある決断から学ぶ
こだわるべきところにこだわり
捨てるべきところは捨てる
この決断をしてきたからこそ
存続していると言えます
特に、
ヤマニ醤油の
蔵元を失ってからの挽回策は
大きなものを切り捨てる決断をしたもので
『思い切ったな!』
と感嘆してしまうものでした。
本を手にとって確認してみて欲しいです。
また、
今はほとんど需要がない
活版印刷の活字を作る
中村活字や
百貨店等がライバルとなり
急速に勢いをなくしてしまった
老舗の傘メーカー
関根洋傘店など
古き良き日本製品を作り続けるメーカーは
数の市場を切り捨て
日本製で老舗ならではのサービスで
切り込んでいく方針をとっています
その決断をするには
私情を持ち込まず
冷静な目線で
現実と向き合う必要があります。
全てが大事に見えるその中から、
続けるものと止めるものを仕分ける
そんな覚悟の歴史だなと
感じました
最後に
100年も時代が変われば
必要とされるものも変わります
今まで必要とされていたものが
急激に価値を失うこともあります。
そうなれば、
この本で紹介される企業のように
自分たちの”一番大切な部分”を残した上で
“何か大きなもの”を捨てる
そんな決断を迫られることになるかもしれません
この本に登場する企業は
歴史とプライドがあるので
『これを失ったら自分たちじゃ無くなる』
そう思える確固たるものがあったのかもしれません
さて、
現在の状況としては
コロナ禍を迎えています。
当たり前がひっくり返ったこの状態で
同じように何を残して
何を捨てるのか
紹介される老舗企業のように
正しく勇気を持った決断を下す必要がある
その瞬間が来ています。
何が一番難しいかといえば
以前の当たり前が戻るのか
もう元には戻らないのかの判断が
必要とされるということです。
日本のある特定地域を襲う災害と異なり
世界の当たり前が変わった今の状況は
今まで以上に厳しいのです
僕の意見としては
当たり前は戻らないと割り切って
次の当たり前に向けて種をまくこと
が重要なのでは?
と、思います。
過去のテンプレート
お決まり文句
当たり前
それら全てを「本当か?」
と立ち止まって冷静に振り返れることが
必要だと思います。
初めての状況ですから、
誰も答えを知りません。
ただし切る舵は右か左か真っ直ぐか
そんなに多くはないはずです。
今後舵を切る時には腰を据えて
“今、大事な決断をするのだ”
そういうモチベーションで向き合い
覚悟を持って決断に至りたいです。
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